第一期テーマ:「日本の安全保障」

[哲塾・第1期 第3講 2005.03.19]レジュメ                    
「戦後日本軍拡の分水嶺」
(政府・防衛庁が憲法を超える大軍拡を決断した時)
会場:日本デザイナー学院 7階 701教室

■ 現況についてのひと言

■ 70年代というもの
 ▽ 万博、新幹線
 ▽ 4次防完了
 ▽ 沖縄返還(米上院外交委ロジャーズ)
 ▽ 国連 台湾追放
 ▽ 石油ショック

■ 第一章 ベトナム戦争
75.3。10年を費やした米軍。3千万の小国ベトナムに敗退!
▽ 50万を超える兵員、1万機の空軍、5百隻の軍艦を投入。
   インドシナ半島に投下した爆弾は740万t
    (米が日本に投下した総量16万t、朝鮮戦争の55万t)
▽ ドルの崩壊、世論の批判。人心の荒廃。
 ▽ ハワイの線への後退(モンロー主義への復帰)

■ 第二章 シーレーン暴露質問
75.3.8 参院予算委員会
三木:21万5千t → 25万t。 4個護衛隊群 → 5個護衛隊群
上田:マラッカ海峡防衛不能(無意味な軍事力!)
三木:のらりくらり答弁
上田:日米軍部間に秘密計画協定あり!(混合部隊計画?)
三木・坂田 全面否定

■ 第三章 政府の豹変
 4月1日 政府答弁       
4月2日 異例発言(坂田長官)
 ▽ 夏目防衛次官証言「あそこが分水嶺」
▽ 坂田証言「76度版防衛白書序文」

■ 第四章 政府方針の急展開と内幕
▽ 椎名発言(危険、三木では保たぬ)
 ▽ 同盟国への期待(フォード大統領発言)
 ▽ 坂田の気負い 「すぐにも会いたい」「期待したい」「こちらから行く」
 ▽ 宮沢外相へ(シュレジンジャー国防長官訪日要請)
    *シュレジンジャー長官応じず(ベトナム後の処理で時間無い」
 ▽ 5月27日 衆院内閣委 坂田長官(制服先行承認)
 ▽ 5月29日官邸の首脳会議(三木、坂田、田代、丸山、白川統幕議長)
    *白川発言 (統幕議長の初参加と軍部の踏み込み)
    *坂田発言(シュレジンジャーが来なければ秋にも訪米して長官と会談したい)


  *三木諒承
 ▽6月3日 衆院内閣委 坂田長官(機能分担)

■ 第五章 前代未聞の議事録改竄
5月23日 坂田長官から上田哲へ議事録訂正申し入れ(海域分担)
6月11日 参院予算委 上田追及(理事会預かり)
6月12日 参院予算委 委員長報告

■ 第六章 一旦、頓挫。その背景
 ▽ 憲法論
▽ 外務省(安川大使5月31日発言←官邸会議の2日後)
▽ 米側との軍事能力のずれ
▽ 三木軟化
▽ 政府の言い逃れとマスコミの混乱
     ※ 「海域分担」
     ※ 「機能分担」
  ※ 「防衛分担」
  ※ 「防衛協力」

■ 第七章 防衛庁部内混乱の諸説
 ▽ 旧海軍の海上輸送路 船団護衛(海原治)
Aルート サイパン・北米・南米・豪州
Bルート パラオ・ボルネオ・スマトラ・シンガポール
Cルート 台湾・仏印・ビルマ
 ▽ 防衛庁の航路帯構想(東西2本)
  幅240海里、長さ1000海里、80万平方キロ(日本総面積の2倍)
「8000tのヘリ空母で敵潜水艦の跳梁を許さぬ」(中曽根)
 ▽ [参考]
     X 大賀良平・海上幕僚長 論文
     Y 米海軍ズムワルド作戦部長 論文

■ 第八章 坂田の反転
 ▽ 読売記事(岡景義)
 ▽ 朝日記事(坂田の本意)

■ 第九章 「シーレーン」の実像と偽像
 ▽ グアム以西、フィリッピン以北、いわゆる北西太平洋の1000海里、三角海域の
   防衛分担(81年5月鈴木・レーガン共同声明で詳細後述→現・日米パターン)
 ▽ 「自動車のフロントガラスのワイパーのようなもの」
 ▽ 「1000海里は野球の外野のフェンス。打球の多くは沿岸数百海里の内野に集中」
 ▽ 「打球は三遊間と二遊間に集まり、王シフトのように重点守備を取ればよい」
 ▽ 首相の示した「三分の一資源確保」資料(82・4・19)
    海上自衛隊(76年試算)
    *最低限総輸入量1億9千万t(総輸入量6億2千万t)
    *このため貨物船、タンカー1ヶ月延べ4百隻必要
    *日本の資源海外依存度(80年通産省資料)
      エネルギー 85・3%
      穀物 67・0%
      総輸入量  5億6735万トン

■ 第十章 三木訪米(75年8月6日)
 ▽ 訪米前のウソ(上田質問に「シーレーン検討せず」)
 ▽ 「三木・フォード会談で防衛協力小委員会を設置」(防衛白書)

■ 第十一章 シーレーン論争の残したもの
 1.従来制服同士の日米軍事共同行動が公然と両国トップの合意に格上げされたこと。


 2.自衛隊は「日本列島守備隊」から米世界戦略を遂行する「西側同盟軍の一支隊」として
   対ソ最前線基地に変質したこと。
 3.ベトナム敗戦後、太平洋から撤退方針の米軍をアジアに引き戻したこと。
 4.以後、違憲の集団自衛権の行使に踏み込む分岐点を超えた事。
 5.軍拡体制が公然法制として「防衛計画の大綱」「ガイドライン」の制定など
   正規の制度と機関の確立に向かうこと。

■ 第十二章 分水嶺と私
 ▽ 読売記事(大井啓資)
 ▽ 極秘情報のネタもと?
 ▽ 私の反省

■ 第十三章 18年ぶり訪米代表団(75年9月)
▽ ブレジンスキーと ニワトリの声 激論
▽ NYタイムス
▽ シュレジンジャー国防長官への2条件(75年9月22日)
▽ 安全保障特別委員会設置

□ 次回に「防衛計画の大綱」「ガイドライン」「戦力論争」とは

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